東京の私立中高一貫生 学生生活編 ボリュームゾーンの中学受験終了

中学受験 偏差値50を半数の親子は超える事が出来ません。そんな世界の話を書いています

ボリュームゾーンの中学受験 中学受験を辞めたいと思う時

6年生の2月1日まで一心不乱に走り続ける!そんな素敵なご家庭もどこかにあるのでしょうが、ボリュームゾーンの民ならば一度は「もう中学受験辞めようかな」と思う事はあると思います。

「中学受験を辞めようと思う時」

「ゲームをしていないはずの息子のゲームレベルがありえないほど上がっていた時」「宿題をやると言って丸写しをしているのを発覚した時」

「ノートが先生の似顔絵の力作だらけだった時」

「一生懸命塾代を捻出しているのに塾でずっと寝ていると先生から連絡が来た時」

「やってもやっても偏差値が上がらない時」

きっと家庭の数だけ理由があるでしょう。そうです、辞めたくなる回数は1度や2度ではないのです、、、

ボリュームゾーンの中学受験 中学受験を辞めたいと思う時

小学校4年生の10月。偏差値30代を取った。「中学受験を辞めようかな」塾に通って一年。上がる所か下がり続ける成績を見て思わず溢れた言葉だった。この子にこんなに勉強に対してお金かける意味があるの?時間をかける意味があるの??だったらプログラミングとかロボット教室とか、教育費を将来の留学などに取ってあげた方がいいのでは?親をがっかりさせた事には気が付いてほんの少しだけ申し訳なさそうにしている息子を見ながら、中学受験撤退の文字が大きく頭の中で表示された。彼にとっては偏差値40代も30代もたいして差がないに等しいらしく、いつもより悪いのかな?そんな程度の様だ。

圧倒的に幼くて、人との競争も嫌い、のんびりした息子。でもだからこそ高校受験は心配だし、息子のようなタイプが多い中学校の方が彼は伸び伸びできるのではと思ったのだ。中学受験を成績のせいで辞めるのは止めよう。そう思った。

それは4年生の時の話で、まさか、まさか6年生の12月まで来て「中学受験を辞めたい」私がそう思うとは思わなかった。

6年生の12月。カリキュラムも全て終わり、模試も終了した。それでも相変わらず親に言われるまで塾の宿題はやらない。志望校の過去問を解き、時間が余っても見直しはしない。合格最低点に届かなくても「ふ~ん」と他人事。そして夏休みに一度克服したと思った苦手箇所はものの見事に忘れ「あ、そうだっけ?」という勉強に対する軽さ。このまま偏差値47の志望校に合格しても「あれくらいでに合格する」と人生をなめてしまいそうだろうし、不合格になったら通える学校は偏差値40代ギリギリの学校になり、それこそ学校の質や友人など環境はむしろ公立の方が良いのではないのかと不安がある。何百万もかけて私立に通わせる意味があるのか不明だ。それこそ何百万もかけて6年の12月まで息子の中学受験の準備をしたからこそ、教育費とは?と教育費に対する疑問も生まれて来たのだった。何より中学受験と息子の資質をなめていたのは私だった。本当にそう後悔していた。

4年生でも5年生でも何度も何度も受験を撤退しようと考えることがあった。その度に、受験した方が良い人生が送れるだろう、せめて6年生になれば本気になってくれるだろう、そう思っていたけれど、今年4年生になった妹は学校の漢字テストで100点が取れないと悔し涙を流し漢字の練習をし、縄跳びの進級が友達より遅いと家でひっそりと練習をして苦手な事も克服しようとする。こういう子が中学受験に向いているんだな、と思うと過去問で合格点が取れなくてもケロっとしている息子を中学受験させたのはそもそも間違っていた、、と認めざるを得なかった。

しかし、しかしもう12月だ。1月の10日には埼玉入試が始まる。この埼玉入試。持ち偏差値通り受験するか、少し下の偏差値の学校を受けて合格体験をさせるか、少し背伸びをして挑戦させてみるか。悩んだ末、これ以上やる気がなくなっても困ると思い少し持ち偏差値より下の学校を受験しようと思っているのだけれど、それでも合格最低点を越えない事があるのだ。もう辞めたいよ。そう思いながら自分と息子に鞭を振るう。あと少し、あと少しだから頑張ろう。4年生の時の自分がタイムマシーンで今の姿を見たら中学受験を辞めるだろう。5年生の時の自分がタイムマシーンで今の親子の姿を見ても辞めるだろう。子供は生まれ変わる事はない。運よく成績が上がり、第一志望に通り、この中学に通えて良かったと思えれば中学受験をして良かったと思う事ができるかもしれない。でももし運で第一志望の学校に通う事ができたら、勉強や人生自体をなめる事にならないか。

そんな心配はまったく不要だった様で1月の埼玉では安全校に落ち、慌てて予定外の学校を受け合格し、2月も1校のみ合格、後は不合格。息子に初めて合格をくれた学校に進学をすることになった。モヤモヤしなくても勉強をなめるような結果にはならなかったし、何のミラクルも起きずに、4年生の頃には想像もしなかった学校に通う。なんだか息子らしい結果といえばその通りの結果になった。納得はしていないけど、腑に落ちる結果、そういう表現が適切だろう。

 

今の私たちをタイムマシーンで4年生の頃の私がのぞきに来たら何というのか是非聞いてみたい。

 

※この話はフィクションです、実在の人物団体等とは全く関係ありません

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↓私が中学受験を辞めたいと思った時の記事はこちら

mamahensachiagetai.hatenablog.com