東京の私立中高一貫生 学生生活編 ボリュームゾーンの中学受験終了

中学受験 偏差値50を半数の親子は超える事が出来ません。そんな世界の話を書いています

ボリュームゾーンの中学受験 偏差値50に半数は届かない

偏差値50超えを目指す子供が、中学受験親子の半分はいる事があまり世間では認識されてはいないと思います。でも、その50を超える事を半数は出来ないのです、本当に当たり前の話ですが、、、。時間をかけ、お金をかけ、家族の時間を潰して、偏差値50に行かない親子が半分はいる。

とにかくその半分以上の偏差値50を目指す、ボリュームゾーンについての受験話はこちらです。

半分は偏差値50に届かない 某母親の回顧録

少し頑張れば偏差値50にはなるはず。

娘が小学校2年生の春、試しに受けた入塾テストの偏差値は42。塾に通えばすぐにおいつけますよ、答案返却の塾講師のそんなぼんやりしたトークに、まあそうでしょうね、と自分の子供の可能性を疑わなかった。でも42はまずいと思い、小学校2年生で少し早いけど、夏期講習準備講座から近所の大手集団塾、渋谷御茶ノ水に入塾を決めた。

それほど難しくなく学習量も多くない塾の宿題。決められた10日ほどだけ通う夏期講習。なんとなく塾で過ごした夏休み最終日に受けたテストの偏差値は40だった。

まさか偏差値が下がっている。「よく粘って解いていますし、真面目に授業も取り組んでいました。今はじっくり勉強して、苦手意識を作らないで取り組む事が大切だと思います。」夏期講習を担当した女の先生にそう言われても納得できない母親は少し覚悟を決め、近所の渋谷御茶ノ水から、クラスや先生の数も多い御茶ノ水校へ電車で通う事を決めた。

電車で塾に通う事になり、娘の通塾はあっという間に娘のコミュニティに広まった。半数は中学受験をする地域だし、ママ友からは「塾に通い出したんですってね、どうですか?」という趣旨の質問をされるようになったけれど娘の振るわない成績の事もあり「まだ通わせたばかりなので良くわからないの」とボンヤリとした返事をしていた。御茶ノ水校では3クラスの一番下のクラスに在籍していて、そして3年になるまで、一度もクラスが上がる事がなく時間だけが過ぎて行った。

3年の夏休みから急にクラスが増え、5クラスになる。偏差値という数字でいよいよ完全にクラスも学習内容も分けられると説明会があった。娘の塾内偏差値は45。このままだと下から2番目のクラス。

偏差値65以上のクラス(少人数)

58~64(比較的少人数)

51~57(標準人数)

44~50←今ここ(標準人数)

43以下(比較的少人数)

少し気を抜くと一番下のクラスでの夏期講習となってしまう。それは避けたい。そして出来れば、51以上のクラスで夏期講習を迎えたい。届かない数字ではないと思う。

覚悟を決めて夏期講習前は負荷をかけて親子で学習に取り組んだ。このまま塾の学習を続けて本当に偏差値が伸びるのだろうか、子供にこんなに学習をさせて結果が出なかったらどうしようか、不安も疑念も襲ってくる。でもこれからもっと塾の人数は増える、中学受験は必ずする予定。まさに今、今頑張ればこの先スムーズに4年生から過ごせるかもしれない。そしてもっと伸びるかもしれない。その期待や希望を元に本屋で対策になりそうな問題集を買って取り組み、塾のテストに臨んだ。

猛勉強の結果、3年夏期講習前偏差値は51。目標としていた上のクラスにギリギリで滑り込み、まだまだ伸びるかもしれない、その希望を胸に夏休みの学習に取り組んだ。

ところが一つ上のクラスの算数があだになってしまったのか、夏休み明けの算数の偏差値は41、平均偏差は45に戻り、クラスも1つ落ちてしまった。

本格的に塾のカリキュラムが始まっても、偏差値帯はそこから変われなかった。算数を頑張れば社会でコケ、国語で取れれば算数でコケる。地獄のシーソー。

塾のカリキュラムについて行けているのか、ついていけていないのか、それすらも分からないまま6年の夏休みを迎える。今回こそは、、と思ったが夏休みのクラス分けテストの偏差値は45。3年生の夏休みの偏差値を超える事はその後1度もなかった。

ボリュームゾーンの人数は多く、皆50超えを目指す。その壁は想像以上に厚かった。第一志望の学校は偏差値50の女子校に設定したまま12月を迎えたが、倍率は3倍、合不合判定模試の結果も渋かった。追い上げてくれればと願えど、受験直前とはいえ普段通りの娘がそこにいた。後受験まで2か月しかない、そう思うと居ても立っても居られない母親を横に娘にはまだ受験まで2か月もある、そんな感覚なのだ。中学受験を戦うには娘はのんびりしすぎているのかもしれない。今更ながらそう思った。

やはり少しでも安全に合格したいと思い、偏差値46の学校を2月1日に受験。幸い合格をいただき、そこに進学する事になった。この2月1日を落とすと、2月1日の偏差値40以上の学校で実際に通いやすい距離にある学校に合格する事が厳しくなってしまっていたので心底安堵した。

入塾前にもっと出来る事があったのではないか、入塾は5年生からにしてもっと違う下準備が出来たのではないか、色々な思いが交錯する。2年生の夏休みから、お金はいったい幾ら使ったのか、考えたくもなかった。でも出来る事はやり切ったし、中学受験は簡単じゃない。子育ての中で夜泣きが辛いとかイヤイヤ期がどうだったかそんな事よりもっと中学受験は神経を削られたし、本当に辛い経験だと某母親は思いながら「中学受験どうだった?」という質問に「大変だったわよ」とボンヤリとした返事をするのだった。

 

そんな娘も今は高校2年生。相変わらずふんわりした雰囲気の娘だけれど学校の成績は中の上だ。評定平均は3.5を取っている。そうなると大学受験には結構有利で、まあまあの学校を推薦で受験することが出来そうだ。

小学校3年生の夏休み、無理をして1つ上のクラスで夏期講習を受けた、そして落ちこぼれた。そんな高校生活にならなくて、そしてその経験が大学受験に生きて良かったと思える。

点数取りゲームで勝てない相手に点数取りゲームで挑む必要はない。人生では点数取りで戦える試合もあるけれど「苦手なものは切り替えて作戦を変える偏差値」が50を超えていれば豊かに生きる事ができると某母親は中学受験の時期が来る度に思い出す事にしている。

 

 

 

↑参考 偏差値50